生駒山系に連なる金剛・葛城山系の主峰『金剛山』から始めた山登り。その時々で気になる山へ、気の向くままに・・・

金剛山 青崩道ルートにある「セト」とは? 

20110114-2.jpg
青崩道ルートにある「セト

昔から「山のテッペン」とかよく言ったものだが、
テッペンって何語?もしかして方言?
漢字変換すると「天辺」とか「頂上」って出るけど、これって当て字なのか?

「セト」も同じ理屈。
百科事典、広辞苑、国語辞典、・・・電子辞書で一気検索かけても出てこない。
実はこれら、葛城山地における地形語であることが判明。

結論から言うと、
「セト」=山道の乗越し点
だそうだ。
間違っても「瀬戸」ではなさそう。
登山用語で「コル」ってあるけど、地形的にはコルの部分。
ちなみに、「コル」=山稜上の窪んだ所。鞍部(あんぶ)。である。
両側に谷を持つ鞍部という意味では「辻」かもなぁ。
大峰のレンゲ辻に地形が似ているし。
それと「セト」の場所って、どちらかというと黒栂谷ルートとの分岐点なので、
青崩道の出合」って感じでもある。

他にも、中尾の背ルートの「中尾」だったり、馬の背ルートの「馬の背」なんかも
地形語の中に発見!

20110114-1.jpg
30年前の山と高原地図の付録の小冊子にて

せっかくなので、スキャン+OCRでテキスト化してみました。
詳細は以下より。
葛城山地における地形語  著:仲西 政一郎

地名の研究は文化人類学の一部門である。
地味な仕事だが、やりかけると登山同様なかなかやめられない。
とくに山地における地形に関する地名だけをとりあげても興味は深く、
変化に富み、飽きることかない。ここでは紙面の関係上、
身近な和泉山脈、金剛山脈を中心に分布しているもののみをとりあげたが、
はじめに地形語(方言、訛言を含む)を記し、解説と実際用いられている地名を記した。
言葉を変えていえば、普通名詞の地形語に、特殊な限定詞を加えてできた地名を加えたものである。
(なかには地形語のみにとどめたものもあるが。)

スッテン、チョッペ、テッペ、テッケ、ミネ…いずれも山頂のこと
 (長尾のスッテン、嵯峨谷のミネ、大石ノ峰、鍋谷ノ峰、成高峰など。)
オ、オー、オネ…山稜または分水嶺のこと
 (カラ尾、岩尾、文珠尾など。なお尾には中尾、大尾、平尾、横尾、登り尾、
 下り尾、長尾、小尾、丸尾、細尾などの種類がある。
タワ…山稜上で角度の緩かな地点、山と山とのタワミのこと。峠の古語といわれる。
(花ノタワ、竹ノタワ、深タワ、大タワなど。)
タイラ…山中における平地、または台地上になったところ(大平、平野、樫平など。)
ハラ…山中の日当りよい場所(笹原、立石原、ニッポー原など。)
サコ…谷の小さいもの、あるいは側稜と側稜との間の窪地。ダコ、ツコとも発音する。
(エビザコ、サクラサコ、タカツコ、仏ガサコ、マルツコ、コシキノサコ、カキザコなど。)
クポ…山中における窪地(峰クボ、チヨクボ、大クボ、北クボなど。)
トコ…タイラの小規模なもの(イケトコ、ナガ尾のスッテントコなど。)
クチ…一定の地点への入口(横尾ロ、白川口、越セロ、千早口、上出口など。)
ヨコテ…山腹の巻き道(シヨダ横手。)
コバ…山中でのいこい場、または木材の集散地(いこい場のことをダンコともいう)(山の神のコバ。)
ツジ…両側に谷を持つ山の鞍部、または山道の分岐点(横尾辻、札の辻、五つ辻など。)
デアイ…オチアイともいう。谷または道の合流点(宮の谷出合、ワラビガス出合など。)
サカ…山中における傾斜道路(桃坂、熊坂、トマ坂、イノ坂、屏風坂、甲取坂、など。)
ゴエ…国境、または村界などを越える道(檜原越、七越、父鬼越、鳴滝越など。)
ト…谷のせまった通れないところ(ガラド、ナカンドなど。)
セト…山道の乗越し点。
ヒウラ…ヒウケともいう。日当りのよい山の斜面、なおひかげはオンジという。
セキ…谷の行きづまり(ガンゼキ、井関など。)
ヌタバ…イノシシなどの水浴場になる湿地。
デンバリ…山腹のつき出たところ。
エンゴ…小さい谷。
ミツアイ…谷が三つ出合うところ。
ハカイバ…山から木を伐ってきて積込む所。札場ともいう。筏ていう土場と同意。
ビシヤガケ…傾斜のきつい断崖。
ウケコシ…尾根の乗越し点。
馬の背…やせた尾根、鎌尾ともいう。
ヒラダ…平のまま登りになっているところ。
ドレンボ…斜面の崩れたところ。
オカギリ…境界線となっている山稜。
サカモギ…急な傾斜地。
ゴラワラ…石のゴロゴロしているところ。
セトって地名は不思議に思っていました。
自分の中では「瀬戸際」のセトだと思っていましたよ。
瀬戸際には分岐点とか分かれ目っていう意味がありますから。

ところで、大峰の法力峠って辻だと思いません?
[ 2011/01/14 23:36 ] [ 編集 ]
セトという名称は独特なので僕も気になっていました。
古い時代に、千早の集落から黒トガ谷経由でセトまで登り、
その後石ブテ西谷に下って青崩に下るように道がついていたのだとしたら、
「山道の乗越し点」ということでも合点はいきますけどね。
でも千早⇔青崩を結ぶんでしたら、
わざわざ険しい石ブテ西谷を行かなくても、
青崩道の尾根を歩いた方が安全かつ楽に往来することができるので、
自分で切り出しておいてアレですが、石ブテ西谷≒古道説はちょっと苦しいかなw

ひょっとするともう少し独特のニュアンスを含んだ概念なのかもしれませんね。
参考までに槇尾山の南西の方。千本杉峠と三国山の間にも「セト」がありますね。
ここも「山道の乗越し点」ということで言葉通りに
理解できるような場所ではないように思うのです。
[ 2011/01/14 23:36 ] [ 編集 ]
中々面白いですね、青崩道のセトは「乗越し」ですか
何となく歩いていましたが、「乗越し」はあちこちで見かけます(遠征で)
どうして「のっこし」と読むのかなぁと思っていましたが
今パソコンで「のりこし」と打ち込むと「乗り越し」になりました
当たり前の事がやっとわかりました、私は乗り越しの方言で
のっこしと読んでいる物と今まで思いこんでいました(涙)
[ 2011/01/15 08:24 ] [ 編集 ]
キバラーさんの興味関心の広さに、それをマメにブログに取り上げる几帳面さに脱帽です。
こんな山のブログ他にありませんよ?!
しかし、登山地図の付録の小冊子にこんなこと書いてる仲西政一郎って人も、ただ者じゃないですね・・
タワやサコは何となくこんな地形のことかとイメージしていましたが、
セトについては、おの@あびこさんと同様の疑問を持ちます。
青崩道のセトからは踏み跡薄いですが確かに西谷に下る道らしきものがあるにはありますが・・
最近気付いたのは、山の名称に「山」「岳」「峰」以外に「塚」「頭」と付くものが多いということ。
特に台高山脈に多いんです。
コウベエ矢塚,木ノ実矢塚,桧塚,野江股ノ頭,山ノ神ノ頭,大熊谷の頭など・・
[ 2011/01/15 10:03 ] [ 編集 ]
セトと聞いて真っ先に頭に浮かぶのは「瀬戸」ですよね。
金剛山回数登山の第二回目の時、秋の夕暮れ時で、
山頂広場で友人とのんびりしていたら、
8000回以上登っている方から「あんたライトとか持ってるのか?」
と声をかけていただき、「いいえもってませんが?」
「早く下山しないと暗くなると歩けないからな」
みたいなやりとりの後、「こっちから登山口に帰れるのですか?」
と尋ねた時、私は青崩道を指さしていました。
そして「「セト」と書いたところがあるので、そこを左へ行くがよい」
と教えていただいたが何のことかよくわからず、
結局その方が心配してくださってセトから一緒に下山しました。
それが「セト」知った最初です。

稲村の法力峠は・・たしかに「辻」ですよね。
[ 2011/01/15 20:50 ] [ 編集 ]
黒栂谷と石ブテ西谷との乗り越し点ですか。
石ブテ西谷より先に青崩道があったと思いますね。
え!槇尾山の南西にも「セト」があるのですか!
それは行ってみたいです!
情報ありがとうございます。
[ 2011/01/15 20:50 ] [ 編集 ]
「のっこし」という言葉は初めて聞きました。
調べてみたら、たしかにそんな言葉がみつかりました。

のっこし【乗っ越し】
一方の谷から反対側の谷に越えられる山稜の鞍部。峠。

なるほど勉強になりました。
ありがとうございます。
[ 2011/01/15 20:51 ] [ 編集 ]
ありがとうございます。
ネタに困ってきたので、いろんなモノをあさってしまっているだけです。(笑)
「頭」は最近馴染みを持ちました。
稲村の「バリゴヤの頭」くらいしか知りませんが。
「塚」ですか。「塚」は一度も踏んだことがありません。
古墳を連想してしまいます。
台高の桧塚は一度行ってみたいです。
[ 2011/01/15 20:51 ] [ 編集 ]
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