生駒山系に連なる金剛・葛城山系の主峰『金剛山』から始めた山登り。その時々で気になる山へ、気の向くままに・・・

昭文社 『山と高原地図』 昭和56年版 を読み解く (5) 

昭和56年版(30年前)、1997年版(14年前)、2010年版、の3つの地図の
同じ範囲を切り出してみて、金剛山の北西部を比較してみた。 

登山には欠かせない昭文社の『山と高原地図』であるが、
古ければ古いほど昔の登山道が網羅されていて情報が豊富かと思いきや、
どうやらそうでもないようです。
ましてや新しい地図なんて、2万5千分の1の範囲が狭まっているだけでなく、
まるで「ゆとり教育世代」向けと言ってしまいたくなるほど省略しまくりです。
とは言うものの、実際にはいろいろな理由があって消された例もあるようだ。
たとえば、
・登山者と山主との関係が悪化して、以前は通れたのに今では閉ざされてしまった。
・絶滅危惧種的な花が自生しているので削除された。
など。
前者の場合、植林の無い山に行けば良いが、どこもかしこもあきれるほど植林だらけである。
後者の場合、最新版がなぜか絶滅危惧種の花のある方向に導く線があって、
本来の登山道のほうに線が無かったりする例もあった。
歩く人が少なくなったというのもあるかもしれない。
金剛山だけでこうだと、他の山ではどんな事になっているのか想像もつかない。
登山道のすべてが『山と高原地図』に載っているものと思い込んでしまうと
道迷いの原因にもなるかもしれない。
何事も疑ってかからねばなりません。

20110111-2.jpg
昭和56年版『山と高原地図』(30年前) ※画像クリックで拡大可

20110111-4.jpg
1997年版『山と高原地図』(14年前) ※画像クリックで拡大可

20110111-6.jpg
2010年版『山と高原地図』(最新版) ※画像クリックで拡大可

《相違点いろいろ》
・最新版は2万5千分の1の範囲が狭く、同じ範囲を切り取ると切れてしまう。
 古い地図のほうはもっと範囲が広い。
・昭和56年版、1997年版には存在する「足谷ルート」が最新版には無い。
 快適な林道が青崩道ルートの近くまで来ているのに一度は歩いてみたかった。
 現在はここを歩くとかなり叱責を受けるそうです。(ホントかな)
・1997年版には存在する「坊領ルート」が、古すぎても新しすぎても載っていない。
・1997年版には存在する「下峠谷ルート」(777P・603P経由)が
 他の地図には無い。
・1997年版には存在する「池ノ谷ルート」が他の地図には無い。
・1997年版には黒破線で存在する「サンマイ谷ルート」が他の地図には無い。
・石ブテ尾根ルートは取り付き部が西谷側に変更になっているが実際はどちらからでも登れる。
 石ブテ尾根ルートって3系統あって、西谷側からでも東谷側(47番)からでも登れる。
・中尾の背ルートは最新版になってようやく新登場。そんな真新しいルートだったの!?

あれ?1997年頃の地図が最も情報量が豊富ではないか。
これいったいどういうことだ!?この頃がが登山ブームの全盛期だったのか?
過去に既出のルート全部の論理和を求めたような地図って無いものだろうか。
2010年版のこの辺りには、薄く細い破線が無数に隠れていますね。
それらの多くが1997年版の登山道と一致しているように思います。
てことは、2010年版の薄く細い破線をなぞって線を書けば好みの地図になる?
[ 2011/01/12 22:48 ] [ 編集 ]
台高お疲れさまでした。

そうでしょ、薄い線は昔の登山道ですよ。
なぞりまくりましょうよ。
あ、原本には落書きしたくないですね。

[ 2011/01/12 22:53 ] [ 編集 ]
1997年の情報の充実っぷりがうらやましいところですね。
今からでもむしろ1997年版が欲しいくらいですw
(もちろん中には廃道同然のルートもあるでしょうが…)

1997年は根来氏と上横手氏の共著でしたっけ?

池の谷ルートなんかは興味ありますね。
平日は水越峠からバスで帰れないし、
土・休日でも終バスは16時台ですもんね。
池の谷に下りることができるなら、
東水分からのバスに乗ることができそうです。
[ 2011/01/12 23:09 ] [ 編集 ]
富田林在住のものです。かっちゃんの知り合いです。
さて、地図の件ですが、私はエアリアマップ金剛山の分は2005年と1985年ものを持ってます。キバラーさんのHP記事で触発され、改めて見直しますとやはり内容が全然違いますね。
地図はというより登山地図は作った人の主観、踏査報告が反映されるんでしょうね。
1985年版は仲西政一郎版のものです。
[ 2011/01/12 23:48 ] [ 編集 ]
並べてみると面白いですね。
北西部は魅力的なルートが多いですが
バスにしろ駐車場が無ければ車にしろ
309歩きが核心になりそうな気がします・・・
[ 2011/01/13 09:42 ] [ 編集 ]
私の持ってるのが1998年版・・キバラーさんお持ちの1997年版に全く同一の内容です。
ということは、現在の山と高原地図を執筆された上横手氏も、当然これらのルートの存在はご存知のはず・・
では、何故最近の新版地図ではこれらの旧版にあったルートを省略されたのか?
第1に、キバラーさんのおっしゃるように、登山者のマナーの悪さに、山主が入山禁止にした山域のルートの記載を避けたこと。文殊尾~香楠荘尾根の間の三角地帯(寺谷・馬の背・細尾谷など)がそれに当たると思います。
第2には、地図に記載すれば初心者には迷いやすい危険なルートの記載を避けたこと。ツツジ尾谷・妙見谷・ワサビ谷・赤滝谷・カヤンボ谷・坊領ルートなどもその中に入るかも知れません。
誰でもが気軽に書店で買える昭文社の地図は、これから初めて登山をしようという人も手にする訳ですから、著者にはそれなりの社会的責任が生じます。そこいら辺を慮ってのルートの削除かと思います。たとえ破線でも、登山地図に線が記載されていれば、ちゃんとした踏み跡のある登山道と思いますからね・・ところが、赤滝谷・妙見谷など、実際歩くとほとんど道とは言えませんものね・・初心者にはきついルートと思います。
ただ、旧版の地図で「悪路」「ワラジ溯行」「○危」などと書かれ、新版の地図でも「○危」で書かれている谷などは、実は人が歩いている証拠ですよね?
これも、実は著者からのメッセージだと私は思っています。「危ないから、お前ら行くんなら覚悟して行けよ」という・・だから、これらの記載のある谷もルートなんだと私は考えます。
ただ、旧版も新版も登山ルートの線の大雑把さには変わりがありませんから、細かい所は疑ってかからないととんでもない目に遭います。
[ 2011/01/13 21:20 ] [ 編集 ]
充実してますよね~。
実はこの地図は私は持ってないんです。
一瞬お借りした時に一部分をスキャンしただけなのです。
著者はちょっとわかりません。(その部分はスキャンデータにありませんでした)
おっしゃるように、池ノ谷だと東水分のバス停にマトモに出ますね。
通年バスが25分間隔で運行されているようですね。
[ 2011/01/13 21:52 ] [ 編集 ]
はじめまして。
かっちゃん=katsuyukiさまのお知り合いでいらっしゃいますね。
お噂はかねがねお聞きしております。
コメントいただきありがとうございます。
ブログ本文にあります図と1985年や2005年それぞれ違うのですか。
人によって引き継ぎされるわけでもなく?こうも違うもんなんですね。
[ 2011/01/13 21:52 ] [ 編集 ]
そうですね、国道309号線は大型車を含む交通量が多い路線なので
できれば国道を歩くような所には出たくないですね。
下峠谷のときは暑い中たいへんでしたよね。
[ 2011/01/13 21:53 ] [ 編集 ]
長文のコメントありがとうございます。
なるほど、手当たり次第に線があると、難易度もわからずに
慣れない方の事故の元になりかねませんね。
実線と破線という区分をもっと細分化して、
難易度別、危険度別がわかるような線引きがあればなお良いのですが。
マル危の基準も曖昧のようにも思います。
トラロープ無しで登るには命の危険がある、と解釈していますが、
トラロープなんて無いのが基準に書かれてあるとは思いますが。
高天谷ルートや高天滝にマル危マークが無いのもおかしいです。
[ 2011/01/13 21:53 ] [ 編集 ]
こんにちは
セトの件ではお世話になりました。

私の地図は1979年版。
一番上の昭和56年版と色合い・コースともよく似てますね。
本屋に行っても新しい地図を手に取る機会もなかったですが、こんなにも進化・変化(退化?)してるんですね。
見比べるとなかなかおもしろいです。

ところで、「今日の金剛山」ビデオ見ました。うまくとれてますね。本物の紹介DVDみたい。
このザ・金剛登山これからも参考にさせてもらいます。
[ 2011/01/22 10:01 ] [ 編集 ]
大住谷の情報を知ることができました。
こちらこそありがとうございました。
さらに古い1979年版の山と高原地図をお持ちですか。
さらに2年古い地図ですね。
2年の差はほとんど同じなのでしょうね。
今後ともよろしくお願いいたします。
[ 2011/01/22 22:37 ] [ 編集 ]
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プロフィール
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キバラー
と申します。
ほぼ毎週金剛山をメインで
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飽きっぽいのか色々やってきて
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その間、
テニスやスキーにハマった数年間。
キャンプは今でも細々と。
今は山に全力で年中夢中
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