生駒山系に連なる金剛・葛城山系の主峰『金剛山』から始めた山登り。その時々で気になる山へ、気の向くままに・・・

『金剛山のサムライたち』 佐奈田欣也著 新潮社(自費出版) 

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・・金剛山を舞台にした「サムライ」と呼ばれる人たちの活躍を描いてあますことなき、
これは現世に生きとし生ける人間たちのロマンである。
 ※帯より引用。

たまに山頂でお会いすると、これ以上ないという最高の笑顔で声をかけてださる石山さんと
またまた山頂でお会いし、石山さんのそばでお昼を摂っていたところ、
蜻蛉の生きているんだ働こうBLOG」の蜻蛉(とんぼ)さんが蜉蝣21(かげろう21)という
ペンネームで書かれた創作作品「槇尾山蔵岩殺人事件」の話になった。
同じような創作作品であるが、著者の実体験をそのまま反映したとしか思えないような
傑作書物を、数年前に石山さんが古本屋で見つけられたというものがコレ。
「金剛山のサムライたち」という本で、著者の佐奈田欣也氏が出版社に持ち込み、
自費で本格的な装丁をした本を3000部ほど作り、自力で本屋を訪ね歩いて持ち込んで
販売してもらったという。
その本の内容が話を伺っているとすぐに興味を持ち、どうしても読んでみたくなった。
金剛回数登山の練成会ができたころの話や、金剛登山ブームのルーツ、
さまざまな登山者との人間模様が盛り込まれているという。
詳細は読んでみないことにはわからないので、そんなどこにも売ってないような
入手困難な貴重な本をお借りできるという話にまで至ったわけだが、
たまたま運良く独自で見つけることができ、本に書かれた定価である1800円で入手できた。
石山さん、この場をお借りしてお礼申し上げます。

OCRでデジタル化してPDFにしたいほどだが、ページ数が半端無い。
本文はまだ読めてないので、「あとがき」などにある著者自身のコメントや
これを読まれた方からの感想などから一部抜粋して紹介してみたい。

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 ・・・私は私の念願とする長い作品の執筆過程において、この書下ろしに手をそめた。
 その長い作品は、最初から意図したものではなく、結果的に長くなったのであるが・・・

 ・・いま書いている以上のものがこの世にあるだろうか。あるわけないと思っていた。
 たまたま縁あって五十六年の秋、井関信という人物に親しく会うまでは。
 私が、私のライフワークとする長編小説の筆を途中で擲って(なげうって)でも、
 書いてみたいと思う人物が現れたのだ。それほど井関信は「魅力的」だった。
 そして、その舞台となる金剛山も、背景となる山の群像も。
 ここではじめて私は三十年近くあたためつづけてきた「おもしろくて、ためになる」
 小説の構想をもちえた。文章のアヤで売る小説の時代は去った。
 かんじんなのは、そのモチーフである。ほりさげ方だ。

 ・・・枚数といえば、山へ登りながら半年あまりかかって書き上げたときは、五百十一枚だった。
 書き上げたものの、どこに発表するあてとてなかった。そうして、山と自宅との往復だけの
 孤独な魂が救いを求めるようにこの年の六月、知人の勧めで入会した尼崎市の
 同人雑誌「AMAZON」にも、その枚数からいって到底掲載の対象外だと思われたので黙っていた。
 ご多分にもれず、同人雑誌といえば情けないほど薄い本である。・・・・ 

最終的には700枚にも達したものを、さまざまな方々の意見を取り入れて圧縮し、
完成に至ったという最高傑作「金剛山のサムライ」について、
評価された方々からのコメントも書かれてました。

 ある女性より。(女性の立場から)
 「山など、高校時代に半強制的に一回登ったきりで興味はありません。したがって、
 井関の刻苦奮励などに就いてはさほど感動がないのです。にもかかわらず、
 終局の”金剛山のサムライたち”の活躍の段は圧巻たるもので、たたみかけてくるような文章
 もさることながら、はじめてわたくしは”山の現場”に参加しえたような興奮にかられました。
 が、それよりもわたくしは、沢田幸治の生きざまに目をうばわれ、ややもすると説明文的な
 ページを読み飛ばしつつ、沢田ひとりを追い続け、追い続け、あやうくその項ばかり
 拾い読みしそうで難儀しました。・・・」

 ・・・激励の言葉より嬉しかったのは、四年前、交通事故に遭い脚を骨折して半年間入院の結果、
 どうにも元へもどらず跛(ちんば)をひいている彼が、たとえロープウェイであろうと、
 私の作品を読んで金剛山へ行く気をおこしてくれたことであった。・・・ 

そんなにまで高く評価されているこの本ですが、いったいどのような内容なのでしょうか。
早く読んでみたいところです。

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Check [ 2010/12/15 21:32 ] 登山グッズ・本 | TB(0) |   コメント(6)
27年前出版ですか・・・
非常に興味深い本です。
現在の金剛山にもサムライは沢山いらっしゃると思います、
凄い山です・・
[ 2010/12/16 10:14 ] [ 編集 ]
中村さんをはじめ、山を登る自分を取り巻くすべての人は
自分に無い能力を持ってらっしゃるという点で
サムライだと言えると思います。
一気に100ページ読んでしまいました。
高城茶屋やそのすぐ前にある水を貯める水槽や、
尾根や谷等の名前もそのまま実際のとおりであり、
当時から何ら変わることのない金剛山の姿に感動を覚えました。
昨夜、ブログをアップし終えた後にネットで探しみてたらあちこちで数冊づつ発見しましたが、
今ではすっかり消えてなくなっていました。
また読み終えたらお貸しいたしますよ。

[ 2010/12/16 21:52 ] [ 編集 ]
ネット上にあった書籍がなくなっていたのは、ブログを見た人が検索をして
購入されたんでしょうね。
私も過去、そうやって購入したことがありますから。(一人歩きの金剛山)

元々は自費出版で発行部数が少ないのに加え、古い書籍で残存数も少ないと
思われますので、ブログの影響力を考えると今後は入手困難しょうね。



[ 2010/12/17 07:59 ] [ 編集 ]
そんなに影響があるとは思ってないのですが、買えなくなってしまっている以上、この本はできるだけ多くの金剛山を愛する人に読んでもらえたらと思います。
どこへ持っていけばいいでしょうね。図書館?
昨夜、一気に100ページ以上読んだわけですが、金剛山への意識が大きく変わりました。
30年くらい前の金剛山の登山者の人間模様や練成会が今に至るまでがすでに登場しました。
言葉でうまく言い表せないのですが、私的は、金剛山はただ近くにあって大阪では一番高くて登山者が多くて、回数登山をやっていて、いつも何がしら人がいる、そして週一欠かさず唯一の運動として金剛山をメインに登っているという程度の意識でおりましたが、この本を読むと、先人、先輩たちが人生をかけてきた山であって、彼らの遺志を継いで今、自分は登山をさせてもらっている後継ぎなんだいう気持ちになりました。
さまざまな登山者の人生を作ってきた山であるという、それほど偉大でスゴイ山だとあらためて認識しました。
わかりやすい表現をすると、
普通のお爺さんと思っていた人は、実は水戸黄門さまだったというくらいの大きな衝撃を食らいました。
[ 2010/12/17 20:36 ] [ 編集 ]
今楽天オークションを見たら14800円になってました
キバラーさんの記事はすごいですねぇ

お陰様で私のブログも『金剛山のサムライたち』を検索するとピットします、私のブログのお気に入り欄にあるだけで
私はなにも書いていませんが(笑)
内容も【きようみしんしん】です。
[ 2010/12/18 21:36 ] [ 編集 ]
え?そんな価格で売られてるんですか。
それはひどいですね。
ぜひみなさんに貸し出ししたいのですが、
断裁してスキャンするサービスの
「ブックスキャン」
「スキャ本」
等に出そうかどうしようか迷っています。
これだけの装丁の本を、スキャン後に紙は廃棄されて
データだけになるものどうかと思います。
非破壊スキャンをやってくれるところはないものでしょうか。
[ 2010/12/18 22:33 ] [ 編集 ]
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プロフィール
こんちくわ。
キバラー
と申します。
ほぼ毎週金剛山をメインで
登っています。
飽きっぽいのか色々やってきて
自転車→オフロードバイク→
大型バイク→登山へと変化し、
その間、
テニスやスキーにハマった数年間。
キャンプは今でも細々と。
今は山に全力で年中夢中
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