写真はイメージです。 ※金剛山のどこで撮影したのか忘れました。
「夜のピクニック」という本がある。
そしてそれは映画にもなった。
何年か前、そのタイトルに惹かれて本を読んではみたけれど、ナイトハイクなんて学校行事向けだろうし、
せいぜい懐中電灯を持って住宅街を散歩するくらいが関の山かなぁ、けど不審者と間違われたりもあるだろうし、
なかなか現実的ではないけど憧れるなぁ、と思ったことはあった。
あれから数年。。。
いまでは金剛山の夜の山歩きも慣れっこになってしまった。
時間帯にもよるが、単独でも千早本道と伏見道、文殊東尾根ルートなら平気だ。
夜に山に行くという事はどこかタブー視されていた感があって、道理に外れてるのかなぁと思っていたら、
「
金剛山の夜景」の夜登(よると)さんとの出会いで、その不安と後ろめたさはすっかり吹っ切れた。
そんな夜登さんと初めて一緒に登ったのは
昨年の12月6日のことなのでちょうど一年前になる。
夜の道を歩くということは、眼から入ってくる情報が暗闇によりかき消され、余計なものが見えないぶん、
五感がとぎすまされ、敏感になって人間本来の自己防衛本能が湧き上がってくるようだ。
最近では東京のほうの都会でもナイトハイクへのイベントが盛んに行われ、関心が高まっているとテレビでやっていた。
以下のような新聞記事がありました。
動きたい:ひと汗いかが トワイライトハイク モンベル2010/12/07 毎日新聞 大阪夕刊 2ページより引用 ◇闇を抜けて眼下に夜景
登山やハイキングと言えば、早朝に出て日中歩くのが一般的だ。
しかし、ヘッドランプをともし、探検気分を楽しむツアーがあると知り、好奇心が刺激された。
「夕闇迫る山道を歩きます」。
アウトドア用品メーカー「モンベル」主催の「トワイライトハイク」は初心者でも大丈夫という。
「なぜわざわざ、暗い山道を?」と思われるかもしれないが、参加してみると、そこには昼間とは違う山の魅力があった。
大阪、奈良両府県にまたがる生駒山のふもと、東大阪市の近鉄額田駅を発着点とする約6キロのハイキングコース。
高度約100~400メートルのルートで、長尾の滝や枚岡公園の額田山展望台などを約3時間かけて巡る。
午後3時半、駅前広場に集合したのは、私を含め20~40代の女性7人と男性2人、
そしてガイド役でモンベル高の原店の小川卓志さん(36)と山崎麻子さん(41)。
膝を回して準備運動をし、ヘッドランプを装着して出発する。
枚岡公園近くの住宅街から、谷に沿って滝を目指す。
「早起きしなくてもいい」「屋久島で山登りにはまって」など、参加者同士でおしゃべりしながら急な坂道を登る。
色づいたモミジやアケビに、苦しさも和らぐ。
午後4時15分、滝に到着。そばの寺は寺務所を閉めるところで、ひっそりしている。
滝の脇の急な階段から細い山道に入り、縦一列になって登り詰めると、
こずえの間から夕映えに染まる大阪のビル群が見えてきた。
徐々に暗くなり、ヘッドランプをともす。
最後尾の山崎さんに夜の歩き方を教えてもらった。
「1メートルほど先を歩く前の人の足元を照らして、その動きに注意して」。
前日の雨で道はぬかるみ、所々で斜面が崩れて倒木に遮られる。滑らないように一歩一歩、注意して足を運ぶ。
午後5時すぎ、暗闇に包まれると、視野が狭まるからだろうか、感覚が鋭敏になる。
京都府向日市の保育士、山田芽(めぐみ)さん(26)は「落ち葉を踏みしめるカサカサという音が強調され、
ササの中で小動物が動くのも聞こえた。耳で感じるハイキングですね」。土のにおいも心地よい。
展望台に到着すると、眼下に大阪の夜景が広がる。おびただしい街の明かりに、
トンネルを抜けた時のような感覚になる。
気温約11度。体を休めると汗が一気に引いた。
小川さんたちがお湯を沸かし、用意してくれたカップ麺をすする。
温かくて塩味が格別だ。タヌキが1匹顔を見せた。
小川さんは「でこぼこの下り坂も、見えない分、足の裏に神経を集中して体全体のバランスを取るので、
平衡感覚が鍛えられる。
坂道では、膝の横など平らな道では使わない筋肉も使います」と説明してくれた。
神戸市の看護師、塩川ゆりさん(42)と樋本有里さん(30)は「夜景に目をとられ、こけそうになった。
暗い中を歩くのは一人では怖いけれど、皆と一緒なら面白い」と笑顔を見せた。
そういえば、歩くしんどさも忘れていた。凝り固まった体も心もほぐれ、「探検」はあっという間に終わった。
◇若い女性に人気
モンベル主催の「トワイライトハイク」は初心者でも参加でき、若い女性を中心に人気が高まっている。
ご来光を拝む富士山登山の予行演習や、本格登山をする人が夜間に歩く経験を積むために
参加するケースもあるという。
近畿では、生駒山のほか、京都市の大文字山、神戸市の六甲山、滋賀県の伊吹山などでも、
春、秋のシーズンを中心にツアーを組んでいる。今シーズンは終了し、来春以降の場所、時間は未定。
ツアー料金は、今回の生駒山の場合一般5000円(ガイド料、保険料込み)で、
他のコースも5000~7500円程度(モンベル会員は1500円割引)。
安全のため、足元を照らすヘッドランプ、雨具、防寒具、登山靴は必携。
■写真説明 大阪の夜景を見下ろしながら歩くトワイライトハイクの参加者たち=東大阪市で
※写真の引用はしていません。
今度は宵闇につつまれた本道に挑戦しようと思っています。
夜景を撮るなら未明より夕刻ですよね。
陽が落ちて暗くなる頃でも、冬ならまだ街が動いていますから・・・。