生駒山系に連なる金剛・葛城山系の主峰『金剛山』から始めた山登り。その時々で気になる山へ、気の向くままに・・・

『ドキュメント 道迷い遭難』 羽根田 治著 山と渓谷社 

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『ドキュメント 道迷い遭難』 羽根田 治著 山と渓谷社 ※やっと台高山脈の地図を買えました。

国土地理院発行の二万五千分の一の地図や山と高原地図のように等高線入りの地図を持っていない、
あるいは持ってこなかった、はたまた持っていても等高線が読めない。
ましてやGPS機器も使いこなせないとなると低山、高山を問わず、
慣れない山では道迷いのリスクが非常に高くなる。
ちなみに自分はというと、コンパスと二万五千分の一の等高線地図だけでは現在地特定には自信が無いが、
二万五千分の一地図や山と高原地図など等高線のある紙地図とGPSを組み合わせると
ほぼ確実に道迷いは無いと思っている。
そんなわけで実際にあった事故例のドキュメントシリーズでは滑落遭難がもっとも現実的であり、
ドキュメント滑落遭難」のほうを先に読んだ。
実話だけにリアル感があって非常に参考になったため、次候補である「ドキュメント道迷い遭難」も買ってしまった。

道迷い遭難で身近な例となる事故があったのでその新聞記事から。
なるほど落ち葉をシュラフ代わりか。今の季節、その手があったか。
しかし、一週間の間にクマには遭遇しなかったのか?一週間あれば脱出できなかったのか?
置いたままになった車が遭難発生と場所特定のヒントに?
以下、つい先週の出来事である。

桜井の男性、下北山で山岳遭難の恐れ /奈良県
2010/11/16 朝日新聞 朝刊 31ページより引用

 15日午前11時40分ごろ、下北山村前鬼の登山口で、土木作業員の男性が、
3日前に見た乗用車が駐車したままなのに気づき、近くの駐在所に通報した。
吉野署によると、所有者は桜井市金屋の無職○○○さん(66)。
○○さんと連絡が取れないことから、署は遭難の可能性があるとみて、16日朝から捜索する予定。
○○さんは一人暮らしで、登山が趣味という。

            ↓↓↓

川の水飲み、落ち葉で暖を取り 登山66歳、1週間ぶり救助 奈良 【大阪】
2010/11/17 朝日新聞 朝刊 34ページより引用

 16日午前9時50分ごろ、奈良県下北山(しもきたやま)村前鬼(ぜんき)の沢付近で、
1人で登山に出かけ行方不明になっていた同県桜井市金屋(かなや)の無職○○○さん(66)が手を振っているのを、
捜索中の県警のヘリコプターが発見した。○○さんは約1週間遭難し、川の水で飢えをしのいでいたという。
 吉野署によると、○○さんは滝を撮影するため9日朝から登山したが、途中で道に迷った。
ジャンパーにジーンズの軽装で食料は持たず、携帯電話も圏外だった。
最低気温が0度近くまで下がった日もあったが、落ち葉をかき集めて暖を取った。
○○さんにけがはなく、「死ぬかと思った。見つけてもらってうれしい」と話しているという。

その他の道迷い遭難事案の新聞記事は以下より。
道迷い救助要請、多発 鈴鹿山系で今年すでに遭難21件 「手軽さ」裏目に /三重県
2010/11/13 朝日新聞 朝刊 35ページより引用

 中高年の愛好者、おしゃれな「山ガール」と山歩きがブーム。でも、鈴鹿山系では遭難が相次いでいる。
管内に御在所岳(1212メートル)などがある四日市西署が今年、山岳救助に出動した件数は、
11日までに例年の約2倍、昨年の3倍の21件に上り、3人が命を落とした。
経験の浅い登山者の遭難が目立ち、背景に「気軽さ」による油断と準備不足があるとの指摘がある。
紅葉真っ盛りの13日、同署は登山口でちらしを配り、注意を呼びかける。(姫野直行)
 四日市市水沢町の宮妻峡付近の登山道で9日午後3時ごろ、名古屋市のネイリストの女性(37)から
「道に迷い、母が約5メートル下に転落した」と110番通報があった。
約2時間後、県防災ヘリコプターで母親(63)を救助。頭蓋骨(ずがいこつ)・頸椎(けいつい)骨折の重傷だった。
 同署によると、2人は紅葉狩りに訪れ、午前10時45分ごろ、ピクニックに来た感覚で雲母峰(888メートル)への登山道に入った。
山頂までは行かず、途中の広場で弁当を食べ、下山中に道に迷った。登山経験はほとんどなく、
ガイドブックの地図があったが車に置き忘れていたという。
 同署管内の遭難21件のうち10件は「道に迷った」という通報だ。
ほとんどが地図の見方を知らず、案内板を頼りに歩いていたという。
 7日午後5時すぎには、滋賀県から自然観察に来た女性4人が、
いなべ市藤原町の三国岳(894メートル)からの下山中に道に迷い、110番で救助を求めた。
携帯電話の全地球測位システム(GPS)機能や通話内容などから位置が特定でき、
県山岳連盟の救助隊が8日午前0時すぎ、女性らを発見した。
 ただ1人、登山経験があった女性(74)は救助後「朝、ほかの3人の服装を見て大丈夫かなと思った」。
仲間は防寒用の上着さえなかった。8日の明け方は平地の桑名市でも10・6度まで冷え込み、
「一歩間違えば、どうなっていたか」といなべ署の松岡清貴地域課長は振り返る。
 鈴鹿山系は最高峰の御池岳でも標高1243メートル。
名古屋や大阪などからアクセスが良く、身近で「難しくない山」と油断しがちという。
 県山岳連盟の亀井正明副会長は「標高は低くても、高低差やルート次第で南アルプスなどと変わらない難易度」と説明。
「登山ブームで『お気楽』な情報があふれ、観光の延長で来る人が多い。
日帰り登山でも地図、方位磁石、懐中電灯、雨具といった最低限の装備は必要だが、持っていない人がほとんど」と話す。
 また、携帯電話の普及で、落ち着いて道を探しもしないまま、救助を求める人が急増しているのも
遭難件数の増加の一因と指摘している。
 四日市西署の谷口克豊副署長は「『自分は大丈夫』と思わず、実力や能力をわきまえて
登山を楽しんでほしい」と呼びかけている。

 ■「道に迷った」と救助を求めた例
 (上段左から日付、場所、遭難者。下段は内容)
 3月29日 御在所岳表道 女性(28)男性(36)
 吹雪の中、道に迷った。救助されたが、女性が低体温症で死亡
   *
 6月13日 朝明渓谷から滋賀県杉峠の登山道 男性(76)
 日帰り登山中に迷った。翌日、救助されたが入院
   *
 7月18日 鎌ケ岳 男性(39)
 通りがかりの登山者の案内で自力で下山
   *
 7月22日 御在所岳裏道 男性(65)
 登山小屋から約100メートルの山腹で発見、救助
   *
 8月21日 御在所岳 中道5合目付近 男性(47)
 道に迷い、登山道から約30メートル滑落
   *
 9月11日 釈迦ケ岳 松尾尾根付近 男性(14)男性(56)
 下山中に親子で道に迷い、救助
   *
 9月17日 鎌ケ岳 長石谷登山道付近 女性(65)女性(71)
 県警ヘリで発見、山岳遭難救助隊が救助
   *
 10月13日 ハライドコブ尾根付近 男性(63)
 県防災ヘリで救助。左足首骨折
   *
 10月31日 国見岳 国見尾根付近 女性(62)女性(54)
 道に迷い、岩陰で風雨を避け、翌朝救助
   *
 11月7日 三国岳 女性(47)女性(56)女性(62)女性(74)
 位置が特定でき、県山岳連盟の救助隊が夜中に救助
   *
 11月9日  宮妻峡登山道付近 女性(37)女性(63)
 親子で紅葉狩りに来て道に迷い、母親が滑落。県防災ヘリで救助。頭蓋骨、頸椎骨折で重傷
 ※今年、四日市西署といなべ署が「道迷い」で遭難救助に出動した事例。年齢はすべて遭難当時
Check [ 2010/11/26 20:13 ] 登山グッズ・本 | TB(0) |   コメント(4)
おお!やっぱりご購入なさったのですね!
私のプロモーション(?)には関係なくご購入されたことと思いますが、
プッシュさせていただいた1人としてはちゃんと満足していただけたか不安です。
ためになる話ばかりであることに間違いはないと思いますが、
行間や余白はちょっと多め、つまり、新書に収まるくらいの内容を
引き伸ばしてムリヤリ1600円にしているふしはあったかもしれませんね。

それにしても、四日市西署といなべ署の「道迷い」救援例の中にも、
道迷い→(焦って冷静さを失う?)→滑落というパターンがいくつかあるようで、
こうしたパターンが少なくないという点は羽根田本の強調点でもあったことが思い出されました。
私もいざ現在地点をロストした時、平常心でいられるかどうか。まったく自信がありません。
GPSを持つことで平常心を保つことができるのだとすれば、
それは決して「高い」買い物ではないのかもしれませんね。

それはそうと、私の方もこちらのブログで藤田健次郎氏の『ひとり歩きの金剛山』を知って、
早速注文。一気に読み終わりました。
大変おもしろい本ですね。ありがとうございました。
[ 2010/11/27 00:17 ] [ 編集 ]
おのさまは我孫子からいらっしゃってたのですか。
おのさまのおっしゃる低山事例が多いという
身近な脅威が気になりました。
無理やり引き伸ばして新書版、たしかにそのとおりです。
なんぼなんでも1600円は無いでしょうと思うのですが。
ちなみに道迷い遭難はまだ最初の事例を読んでいる最中です。
この調子で行くとぜんぶ揃えてしまいそうな自分がコワイです。
なんかこの手の本が増えてるような感じで、文庫本で似たような本がたくさんありました。
GPSでは安心が買えますよ。
「ひとり歩きの金剛山」を読まれましたか。
書かれた年代が古いですが、今でも十分楽しめました。
参考になったようでありがとうございます。
[ 2010/11/27 19:44 ] [ 編集 ]
よくよく考えてみると「おの」という名前は
他のどなたかとカブる可能性もあるかと思いましたので、
現住地の地名を付けてみました。
意外とお近くに住んでいたりということもあったりして?

あびこからだと、それなりに山らしい山の中では金剛山が最寄りの山ということになるでしょうね。
しかし、今年、思い立って山登りを再開してみるまでは、「近くて遠い」山でした。
魅力に富んだルートがこんなに沢山あるということを知っていれば、もっと早く来ていたのに…、
というのが、いざ登り始めた現在の率直な感想ですね。

『ひとり歩きの金剛山』はたしかにもう20年近く前に書かれたものといえますが、
そうであるがゆえにかえって面白かった箇所もありました。
パノラマ台からの眺望は植林の苗木が育てばその内無くなってしまうだろう、とか、
タカハタ道に下りる途中の989Pがちょっとした眺望スポットだった、とか。
今眼前にある山の姿は時と共に移り変わっていくものなのですね。
[ 2010/11/27 23:34 ] [ 編集 ]
私もドキュメント遭難シリーズ1冊持っております。気付いたら最近この手の本ばかり買っている気がします。読むと意外とはまってしまうですよね(笑)
[ 2010/11/28 00:38 ] [ 編集 ]
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キバラー
と申します。
ほぼ毎週金剛山をメインで
登っています。
飽きっぽいのか色々やってきて
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大型バイク→登山へと変化し、
その間、
テニスやスキーにハマった数年間。
キャンプは今でも細々と。
今は山に全力で年中夢中
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