生駒山系に連なる金剛・葛城山系の主峰『金剛山』から始めた山登り。その時々で気になる山へ、気の向くままに・・・

『ドキュメント 滑落遭難』 羽根田 治著 山と渓谷社 

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『ドキュメント 滑落遭難』 羽根田 治著 山と渓谷社

先日、ブログ「金剛山愛」でも紹介のあった本のシリーズのひとつで、
過去に実際に起きた遭難事故の内容とその事後検証と防止策研究の記録である。
人間誰しも単純ミスをおかす。事故はありえない場所で起こるもので、
だから常に山は真剣勝負で望むべきであることをあらためて学ぶことができる1冊だ。

山と渓谷社の「ドキュメント」シリーズは、今のところ全部で以下のラインナップがある。

 ドキュメント 雪崩遭難
 ドキュメント 道迷い遭難
 ドキュメント 気象遭難
 ドキュメント 山の突然死
 ドキュメント 滑落遭難


1冊が1600円と高価であることから、まず最初にどれを読んでみようかなと考えたとき、
以下のような消去法で今回のこの一冊を選ぶことになった。

 「雪崩遭難」・・金剛山や、ちょっと遠征して大峰や台高山脈でもあまり現実的ではない。
 「気象遭難」・・金剛山ではありえないにしても、大峰や台高山脈では体験することもありそう。
 「山の突然死」・あまり考えたくない。こればかりは避けようがないだろうからあと回し。
 「道迷い遭難」・GPS+地図+衛☆ホニャララがあれば、だいたい大丈夫そう。
 「滑落遭難」・・これ、いちばん起こりうるぞ。よし、これを最初に読もう。

というわけで「ドキュメント滑落遭難」を最初に読むことにした。(高いので最初で最後かも)
滑落遭難は金剛山でも槇尾山でも、大峰山系ならなおさら、
普通にしっかりと歩いていればなんでもない場所で、ちょっとした気のゆるみや、
一瞬フラっとしたり、めまいがしたり、つまづいたりするだけでも現実的に十分起こりうるからだ。
他にも理由があって、この本の事例の中に大峰山脈の「釈迦ヶ岳」において
同じパーティーで同時に起きた2つの事故が取り上げられているという点も興味深い点であった。

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大峰山系の釈迦ヶ岳というと、大峰奥駆道(金剛山系のダイヤモンドトレールのようなもの)の
南の端っこにある、ちょっとめずらしい特徴の山頂がある岳であり、
かくいう自分も、6月5日にW登山で単独で登ってきた所であることから記憶に新しい。
自分の場合は、この事故例のルートは通っておらず、極めて平和で最楽・最短ルートである
十津川村から進入する「太尾登山口」から登った。
気候も天気も抜群の日だったので、孔雀岳や仏生岳、欲を言って七面山へのピストンも
可能ではないかと「釈迦ヶ岳」の山頂から眺めてそう思ったものだ。
そんな大峰奥駆道上で同時に起きた2つの事故は、よっぽどの偶然な事が無い限り
起こりえない場所だという。
本を読んでみて、その場所が気になって確認してみたくなった。
滑落といっても、垂直に切り立った覗(のぞき)と言われるような崖から、
覗きこんでいて転落したような事故を想像をしてしまいがちであるが、
実際には、一見、ゆるやかな斜面に見えるようなところで、たまたまつまづいて
倒れ込むだけでも、転がり出すと止まらないどころか、ますます弾みがついて、
石ころにように転がっていって、岩に頭やカラダを強く打ちつけてアウト。。となるのだ。
また、遭難=アウト、とは限らない点についても知っておきたい。
五十五年の登山歴を持つリーダーを頭に、メンバーも体力的に問題がないパーティーで
起きた事故だけに、いったいどういう偶然や危険因子があったのか。
山と高原地図と併せて読むとよりリアルで理解しやすい。
詳細は本書で。

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釈迦ヶ岳~七面山のピストンならカッ飛ばなくても十分可能!
但し孔雀岳~楊枝の小屋付近(仏生ヶ岳トラバース)まではメッチャだるいです。
それと楊枝の森から七面山東峰までは道標はあるもののルートを外し易そうでしたわぁ~

この滑落編は本日 購入して昼からの会議中に読みたいと思います!
[ 2010/11/18 06:42 ] [ 編集 ]
誤字→仏生ヶ嶽でした
[ 2010/11/18 06:44 ] [ 編集 ]
ありゃ~これからと言う所で終わった~
八尾に行って立ち読みしようか(近くに本屋が無い)汗

疲れてきたらよく木の根っこや小石につまずきます
慎重に歩かないとだめですね滑落しないように。
[ 2010/11/18 08:20 ] [ 編集 ]
この本と道迷い遭難の方も読ませてもらいましたが、
どちらも勉強になりました。
現状だと3000m級の山に行く機会はありませんので、
積雪期の富士山や北岳のトラバース道での滑落等の話は、
「並大抵の心積もりでは行けないなぁ」と思う程度でしたが、
それだけに大峰や赤城山の事例がかえって身近に思えましたね。

『道迷い遭難』の方は『滑落遭難』よりも低山事例が多かった
という意味では身近な脅威と判断することも可能な本でした。
道迷い→滑落というコンボ事例もかなり多いらしいですね。
それから、不幸なことにあちらの世界に行ってしまわれた方が
遺していた手記を紹介するくだりがあったりで、
読んでいてぞっとした記憶があります。
「ぜひ買ってください」とまで言えるものかはわかりませんが、
図書館等でお見かけした際にはぜひ。(羽根田さんの回し者のようになってしまいました)
[ 2010/11/18 18:10 ] [ 編集 ]
滑落は、つまずいたりほんのちょっとした油断で起こりそうですね・・怖いな~
私も山歩きを始めた一年目には何度か恐い思いをしたことがあります。
道迷い⇒同じ場所を往ったり来たり⇒体力消耗⇒日没が迫る⇒焦りとパニック
・・というのがお決まりのパターンでした。
最初の頃は、ハイキングガイドの簡単な地図だけを頼りに歩いていましたが、
何度か恐い思いをしてからは、その反省から、必ず25000分の1地形図とコンパスを持ち歩くようになりました。
周囲の地形や尾根のアップダウン等を参考にして地形図と見比べながら、
常に鉛筆で現在地にチェックを入れて確認しつつ歩くのです。
地図上の現在地を決して見失わないのが、単独で歩く時、道迷いをしないコツです。
[ 2010/11/18 19:25 ] [ 編集 ]
釈迦ヶ岳~七面山までピストンできますかー。
それは健脚のまさ吉さんならではじゃないでしょうか。
まず釈迦ヶ岳までも十分遠いですし。
道を外しそうなところがあるんですね。
そんなところはぜひともGPS片手に歩いてみたいです。
なお、まさ吉さん紹介の道迷い遭難編は次の購買ターゲットです。
この本、なんでこんなに高いんだ。。。
[ 2010/11/18 20:25 ] [ 編集 ]
これ以上書くと売れなくなるって叱られますよ~。
近い将来、道迷い遭難編も買おうと思っています。
図書館とかにありませんか?
私は借りて返すのが面倒なので、レンタルビデオも大嫌いです。
私も山ではよくつまずきます。
[ 2010/11/18 20:25 ] [ 編集 ]
おのさまはこの本と「道迷い遭難編」をすでにお読みになられてらっしゃったんですね。
私も3000m級の山に行く見込みは今のところありません。
「道迷い遭難編」は低山事例が多いのですか。
だったら私はぜったい買うと思います。
いや、そうでなくても買うつもりでした。
(この本すらまだ完読しておりません。笑)
情報ありがとうございます。
[ 2010/11/18 20:25 ] [ 編集 ]
arajinさんの経験談、とても参考になります。
単独ほど心細いものはありませんよね。
私は読図のプロフェッショナルのarajinさんのように
紙地図とコンパスから現在地を正確に割り出すことはまだまだできそうにない技術です。
磁北線との誤差なんてうっかり見落としてしまいそうでミスがコワイです。
なのでハイテク機器にこれからも頼っていくとおもいます。
おかげさまで等高線はずいぶん読めるようになってきました。
[ 2010/11/18 20:26 ] [ 編集 ]
僕はこのシリーズが好きで読んでいます。
この本だけは持っていませんので、是非買いたいと思います。
孔雀覗での事故は当時驚きました。
同じグループの人が下山時に転倒して骨折したんですよね。
孔雀覗はたしかに落ちたら生きて帰れません。
滑落しないためにどうするかを学ばないといけませんね。
[ 2010/11/19 01:58 ] [ 編集 ]
4冊も持ってらっしゃるんですか。
そしてさらにもう一冊。
すんごい金額になりますが?(笑)
孔雀岳の近くに孔雀覗ってあるんでしょうか。
釈迦ヶ岳から孔雀岳の間のルートが気になっております。
機会があれば行ってみます。

[ 2010/11/19 19:58 ] [ 編集 ]
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プロフィール
こんちくわ。
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と申します。
ほぼ毎週金剛山をメインで
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飽きっぽいのか色々やってきて
自転車→オフロードバイク→
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その間、
テニスやスキーにハマった数年間。
キャンプは今でも細々と。
今は山に全力で年中夢中
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