このところ金剛山頂は本当に大賑わいだ。
先日も11時に売店に入ってお昼を摂って、
12時に外に出たところ、人が3倍くらい増えていて驚きました。
人によっては、
「どうしてこんな寒いのに、しんどい思いをしてもっと寒いところに行くのか気が知れん」
という声もこれまでに聞いたことがあるが、
言わしてもらえれば、「家でじっとしているほうがうすら寒い」のだ。
カラダを動かして、血の巡りを良くすれば、温泉にでも入った後のように内面から暖まり、
ほぐれて軽くなると言うのだろうか。
そして冬の登山が何より良いのは、大汗をかくことがない。
汗をかきそうになれば、少し立ち止まるだけですぐにクールダウン。
虫もいないし、静かだし、快適な登山がたのしめる。
すっかりこの冬にも慣れてしまったので、このままずっと冬のままで良いよなぁと
勝手に思っても良いでしょうか?
子供の頃、
「登山=金剛山=冬=千早本道=階段ばかり=良い思いがない」
ということで、登山と聞いただけで拒否反応を示してきた自分の今がこれ。
以下の新聞記事から見て取れるように、千早本道はひたすら単調なだけの試練な道なのだろうか。
登山回数によって、また、季節によって、同じルートでもずいぶんと印象が変わるものだ。
[みなみらんぼうの一歩二歩山歩]第581話 金剛山(寄稿連載)2010/01/28 東京読売新聞 夕刊 3ページより引用 ◇奈良・大阪
◆名物の樹氷 逆光に輝く
金剛山(最高所=葛木岳1125メートル)は、大阪に住む山登り愛好家なら
登っていない人がないほどで、東京でいえば高尾山のように愛されている。
「大阪府の最高峰」と紹介されることが多いようだが、最高所は奈良県側に属している。
金剛山に登る季節はいつが良いかと大阪のベテランに聞いたら、迷わず「冬」と答えた。
四季を通じて人が多いが、冬は名物の樹氷が見られるので、格別の人気なのだそうだ。
僕はカミさんの実家が大阪なので、そこに泊まって河内長野駅に行き、
そこから南海バスに乗って金剛登山口で降りた。ここからルートは二つあるが、
太平記でおなじみの楠木正成が築いた千早城を通るコースを選ぶ。
山城への道らしく、段差の大きい石段の道が続くので、わずか10分程の登りで
一汗かかされるだろう。
残念ながら城跡は広場になっていて、見るべきものはあまりなかった。
先に進むと前方に金剛山の頂上方面が、白く煙って見えた。
もしかしたら樹氷が見られるかも知れないと、気分が盛り上がる。
トレイルは、石段が終わってホッとすると、次は土止めの丸太階段に変わり、
なんとこれが最後まで続く。安全な道ではあるが単調だ。
ファミリーで登るという方は、地元の千早赤阪村が運行するロープウエーも利用できる。
植林地がいつの間にか立派なブナの森に変わると、この辺から雪道になる。
奥に茶店が現れ、左に行くと国見城跡がある。ここに金剛山頂上の標識が立っていて、
眼下に大阪の市街と大阪湾が眺められる。
カミさんが「樹氷じゃないの?」というので振り仰いだら、
逆光に、シャンデリアのように輝く木があった。
近くで弁当を広げていた人が「もう少し気温が低いとええねんけどな」といって笑っていた。
茶店の前にはカマクラもあって、雪国のようだった。
山上広場には登山回数が張り出されていた。それを見ると1万回以上登った人もいる。
人生色々な生きがいがあるものだ。最高所の葛木岳は立ち入り禁止なので、
役行者(えんのぎょうじゃ)をまつる転法輪寺から葛木神社を参って、帰途に着いた。
〈こんごうさん〉
修験道の開祖・役行者や楠木正成とゆかりの深い山として親しまれている。
国見城跡の展望台からは、大阪湾や奈良盆地が一望できる。
〈アクセス〉(金剛登山口バス停)
■鉄道 南海・近鉄の河内長野駅から南海バス35分
■車 南阪奈道路羽曳野ICから約40分
〈周辺情報〉
冬は軽アイゼンが必要。金剛山とふもとを約6分で結ぶ村営ロープウエーは
大人(中学生以上)片道700円、往復1300円。付近には有料駐車場も多い。
問い合わせ 千早赤阪村建設課 0721・72・1447