生駒山系に連なる金剛・葛城山系の主峰『金剛山』から始めた山登り。その時々で気になる山へ、気の向くままに・・・

奈良・大峯山 1300年の女人禁制に幕? 

タイトルにびっくりされた方も多いことだろう。
しかしこれは1997年10月の新聞記事である。
このところNHK BSなどで百名山や山登りの番組が増えている。
大峰山をテーマにしたものも多くみられた。
全国でも女人禁制を守っている大峰山(正確には山上ヶ岳とその周辺のみ)は珍しく
また、2004年7月にはユネスコの世界遺産に山上ヶ岳にある「大峯山寺」と「大峯奥駈道」が登録されるなど
注目されつづけている山域である。

そんな大峰山(山上ヶ岳周辺)についてちょこっと新聞記事を調べてみたら、過去にはいろんな事があったようだ。
たとえば1986年5月には山上ヶ岳にヘリコプターが墜落する惨事があったあり、
1990年6月には皇太子さんが登られたり、
山上ヶ岳周辺のあの沢やこの沢での遭難事件を取り上げると枚挙にいとまがない。
最大の話題は、西暦2000年になるのを機に女人禁制が解かれようとする動きがあった。

解禁反対の意見として、
異性がいると目がいってしまって修行の妨げになり、差別とは考えていないが世の中に男女がいる以上、区別はある、
などの意見や
レジャー感覚の若者が無神経に振る舞うと、真剣に発心している信徒の心が乱れる、など。
なるほど~と、一瞬思ったが、
それなら女人大峰とも言われている稲村ヶ岳を男子禁制にすれば男女平等になるのではないだろうか。
それに、
女性に目が行ってしまう、とあるが、
そもそも修行に来ているのであれば煩悩を断ち切るのも修行であって、女性に目もくれなければよい。
さらに言うと、
修行は大峯奥駈道全体で行われているのであって、女人禁制の山上ヶ岳周辺以外の奥駈道には女性がいるので
説明がつかないのではないかと思う。
そもそも解禁したところで日頃から登山者が金剛山のようにわんさかいるわけではない。
「お花畑」が弁当広場として賑わうくらいかな?
戸開き期間(5~9月)中、どれだけ賑やかなんだろうと行ってみたら、そうでない時とさほど変わらないと思った。
解禁すればその見返り効果として、山上ヶ岳への道中にある茶屋の賑わいを取り戻せたり、
麓の洞川がさらに活気づいたりと大きな経済効果がありそうに思う。
知られざる事実として、かつては富士山、立山、白山、比叡山、御嶽山、高野山も女人禁制だったらしい。
永遠に残せる伝統など無いということは、近年よく目にする報道で「○○○年の歴史に幕」という見出し。
しかしながら1300年の伝統はたしかにスゴイことではある。
これについては賛否両論あることだろう。
そこで折衷案として、5月3日の戸開式~9月23日の戸閉式までの期間のみ女人禁制とするのはどうだろうか。


奈良・大峰山、1300年の女人禁制に幕--2000年“山開き”から
1997/10/04 毎日新聞 朝刊 1ページより引用

 奈良時代から1300年にわたり女人禁制を貫いてきた修験道の聖地、
奈良県天川村の大峰山系・山上ケ岳(1719メートル)で、
山頂の大峯山寺を守っている5カ寺が3日までに女性の登山を認める方針を固め、信者らへの説明を始めた。
大峯山寺関係者によると、山伏の根本道場としてこの山を開いた役行者(えんのぎょうじゃ)の
1300年忌にあたる2000年からの女性解禁を目指す。
登山シーズンの幕開けを告げる「戸開け式」の5月3日を区切りに女性の入山を認め、
約20カ所の行場(ぎょうば)も開放するという。
 大峰山の女人禁制をめぐっては、終戦直後、解禁を求めるGHQ(連合国軍総司令部)に対し、
地元住民らが「修道院のようなもの」と主張して譲らなかった。
最近では1987年9月、大峯山寺本堂(国の重要文化財)の「昭和の大修理」完成の際、
女性が法要に参列できなかったほか、94年11月の「日本山岳修験学会」で、
研究者が「女性を『けがれ』とみる差別意識からくるもの」と指摘、批判が強まっていた。
 女人禁制の区域はかつて、東西約11キロ、南北約24キロに及んだが、
観光客への配慮などから次第に縮小され、現在は東西約10キロ、南北約7キロ。
登山口の4カ所に「従是(これより)女人結界」と刻まれた石柱が建てられている。
 ◇聖地変わらぬ
大峰山修験道の総本山、金峯山寺(奈良県吉野町吉野山)の田中利典・教学部長の話
大峰山は女人禁制だから聖地なのではない。女性が登れるようになっても聖地だ。信者のコンセンサスを得たい。


賛成・反対で揺れる女人禁制 奈良・山上ケ岳、「開放」方針を撤回
1998/04/19 朝日新聞 朝刊 26ページより引用

 奈良時代から千三百年近く女人禁制を続けている修験道の根本道場、
奈良県天川村の大峰山系山上ケ岳(一、七一九メートル)を女性に開放するかどうかをめぐり、
地元の寺や信徒が揺れている。山頂にある大峯山寺を守る五つの寺は、
「時代の流れ」として修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)の千三百年忌にあたる
二〇〇〇年からの開放を検討していたが、信徒や地元住民の多くは「伝統を守るべきだ」と反発。
十八日午後、改めて「女人禁制」の看板を出した。
 かつては女人禁制の山は多くあったが、今なお続けているのは岡山県の後山と山上ケ岳の二カ所だけ。
山仕事をする女性や観光客が増えたことから、次第に範囲を狭めてはいるものの、
山上ケ岳は現在も四カ所に「女人結界門」があり、約十キロ四方で女性の立ち入りを禁じている。
 こうした姿勢は女性差別だとして、昨年五月には千人を超す登山愛好家らが開山を求める署名を出した。
 中心になった和歌山県田辺市の農業小森茂之さん(四六)は「山上ケ岳など国立公園は国民の財産だ。
女性というだけで入山できないのはおかしい」と話す。
五カ寺と、総本山にあたる京都の醍醐寺、聖護院、吉野の金峯山寺は昨年、開放に動きはじめた。
これに対し、山上ケ岳ふもとにある洞川(どろかわ)地区の信徒や大阪府の信徒らが反発した。
 洞川地区は信徒の宿泊する旅館街として栄えてきた。
地区長で地元信徒総代をつとめる旅館業桝谷源逸さん(五一)は
「女人禁制をやめれば、山上ケ岳も全国に多数ある修行場のひとつになってしまう」。
大阪の信徒グループ「阪堺役講」の年番、入船盛治さん(七五)も「千三百年の伝統を維持したい。
修行の山に女性が入るのは困る」と話す。
洞川温泉旅館組合が昨年十二月、常連客の信徒にアンケートしたら、女人禁制支持が圧倒的だったという。
 反発を受けて寺側は開放方針を白紙撤回。さらに地元の要望を受け入れ、
五月三日の山開きに向けて「大峯山寺」の名で「今まで通り女人禁制」とする看板を十八日午後、登山口に立てた。
五カ寺のひとつ、喜蔵院の中井教善住職は「寺、地元、信徒の三者で時間をかけてじっくり話し合いをして
結論を出したい」と話している。
Check [ 2013/08/14 21:11 ] 大峰山系 | TB(0) |   コメント(4)
伝統を大切にするか時代なのか難しい選択ですね。
伝統を重視するあまり時代に取り残される懸念がありますし
また簡単に開放されては情緒が失われるかもしれませんし
悩みどころです・・・私は山上ヶ岳のような
今もなおという山が一つくらいあっても種があって良いと
思ってますね。
[ 2013/10/05 12:32 ] [ 編集 ]
コメントありがとうございます。
伝統と時代の変化への適応は難しい問題です。
1300年続いたといってもこの世は永遠じゃないですし。
女人禁制はまだ他にもあるみたいですよ。
[ 2013/10/07 19:36 ] [ 編集 ]
この報道のせいで女人禁制解禁が頓挫したんですよね。なんでも騒げば改善するということではない事例。

日本に限らず海外でも女人禁制の聖地は少なくないですが。
[ 2017/07/13 10:43 ] [ 編集 ]
海外でも女人禁制があるのですね。
それは知りませんでしたので調べてみます。
ありがとうございます。
[ 2017/07/18 21:07 ] [ 編集 ]
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