曽爾高原およそ3年ぶりに曽爾高原を尋ねてみた。
これまで曽爾高原付近を山として意識したことはなかったので、
今回はその点をじっくり意識して歩いてみた。
それにしても曽爾高原は大阪からほんとうに近くなった。
特に曽爾村に入ってからの道路の整備が著しい。
3年前にバイクツーリングで来たときにはあちこちでトンネル工事中の最中だった。
トンネルが出来る前の道はくねくねアップダウンで狭い山道。
今回、それらすべてが完成しており、時短と燃費に大きく貢献。
大阪松原から西名阪道に乗って針IC経由で榛原を抜けるルートだとおよそ一時間半で来れる。
今回はちょっと出遅れたので曽爾まで遠征するかどうか迷ったが、
一日がかりで歩くような山域ではないのと、久しぶりに行きたいという気持ちもあって決行。
前夜まで雲行きがはっきりしなかったのも影響。
曽爾村に入ると、途中、屏風岩に兜岳、鎧岳が眼前に迫ってくる。
屏風岩はいままでその存在を知らなかったが、
実際に確認してみると、垂直の壁が大規模に広がっていて圧巻だった。
鎧岳は曽爾に来るとかならず目に付く圧倒的威圧感のある尖った山で、
絶壁面がこちら側に向いているので、眺めているだけで恐ろしい。
あんな山に登ることができるのか?と思っていたら、
段平の山登りと家庭菜園の日記の段平さんや、
低山徘徊者の徒然日記ののぶさん、
そしてさらに
ブログ「あほな人の山日記」のdanashiさんがすでに登ってらっしゃった。
午前11時半、源泉掛け流し風「お亀の湯」のあるにファームガーデンに着く。
ここまで来るとどことなく高原ムード満点。
これまで何回かここに来ているが、お亀の湯は混んでるイメージがあって
利用したことがなかったので、今日は帰りに入って帰ることにする。
米粉パンの店は前回来たときにはすでにあった。
お昼等の準備はしてきたが、せっかくなので米粉パンを3つほど購入。
ファームガーデン内にはレストランや地場の野菜が売っていたりで
実に道の駅っぽいけど道の駅じゃない。
そしてその対面には・・・まだあった!夫婦で草もちを売っている店が。
自分の知る限り、10年以上前からある。
保存料等一切使わず新鮮で賞味期限が本日限りでふわふわあつあつ出来立ての草餅。
奥さんは美人仕立てで、以前は演歌歌手や芝居もやられてたという。
そのインパクトと口上の上手さから買わずにはおれず、ついつい客が集まるという名物店。
なつかしすぎて感涙; スイーツも持ってきたけど600円分購入。
忘れてた、これは山行きレポートのブログだった。
曽爾高原に移動。
唯一の有料駐車場に・・・・いらっしゃいました、おばあちゃん。
眼がクリっとしててつぶらな瞳。まだまだ元気でがんばっておられます。
駐車料金は600円であるが、こんなおばあちゃんを見ているとぜんぜん惜しくない。
むしろついでに何か買ってあげたいくらい。(ちょっとした物販もされてます)
そんなこんなで懐かしさを胸に、12時5分、登山開始。
登山というかここはピクニック感覚である。
でも家に帰って地図をよく見ると気付いた。周回できたのに。。。
曽爾高原の特徴的なカール上の稜線の向こうはぜんぜん関係ない域だと思いきや、
池の平高原だの、くろそ山荘だのがあるじゃないか。
亀山峠から乗り越し下って、中太郎上太郎分岐を経て、七曲りを登って周回すればよかったな。
曽爾高原はお亀池という湿地帯を中心に約40ヘクタールの広い範囲に群生するススキで覆われる所で、
元々は曽爾村の茅葺き屋根の材料につかわれる茅(かや)が作られていたが、
現在は景観を残すために保護されている。
一歩足を踏み入れるとその別世界のように広がる空間に圧倒される。
前方にそびえる稜線まで登るのは高そうだなぁと思うが、実際は何のことはない。
ディズニーランドのシンデレラ城が、遠近法の錯覚を利用して実際は小さめに作ってあるのに
大きな城に見えるような手法で建築されている事で有名であるが、
曽爾高原はまさにそれの天然版と言ったところ。
ふと鎧岳のほうを振り返ると、あれ?鎧岳ってたしかアレだよなぁ、と。
横から見ると実になだらかで穏やかな山だった。
な~んだ。
曽爾は錯覚だらけの別天地なのか?!
写真を撮りながらのんびりお亀池の周りをぐるっと回りこんで道なりに登ろうと思ったけど、
亀山峠と亀山のちょうど真ん中のいちばん高くなった部分に向かって直登するような道が付いていたので登ってみた。
一般の人の靴では登れないような急登で足場が悪いが登山靴ならなんとか登れる。
本来は道の無い所を歩くのは茅の保護の観点からしてもダメであるが、
幅50cmくらいの階段状に踏み跡の着いた確かな道筋があった。
それにしても急登でおまけに風が強い。
先週末の比良山系では冷たい風に長時間さらされて、ちょっと休憩している隙にも急激にカラダが冷やされたことから、
レインウェアと違って行動中に暑くなりすぎずに風をブロックする、ウィンドブレーカーの最新型、
モンベル「ウルトラライトシェルジャケット」(わずか135g)の最新モデルを実戦投入。高かった。。
さすがに風に強いが全体的に寒い!今回はレインウェアのほうが暖かくて良かったかも。
なんちゅう買い物下手だ。。(> <)
そんなわけでピークに到着するとものすごい突風。
自慢の帽子(ヅラとも言う)が10mほど飛ばされてあせる焦る。
モンベルのハットクリップを家に持っていたのにこんな時に限って持ってきてない。
カラダが温まるほど登ってない(100mも登ってない)が、かれこれスタートしてから一時間経過の13時。
ぜんぜん運動にもなにもなってないけど時間も時間なのでお昼にすることに。
本来なら風が吹きさらす稜線上で食事なんてありえないはずであるが、
一歩奥に入るだけで風が当たらなくなったので昼食の準備にとりかかる。
寒すぎるとどんな美味しいもの食べても食べてる気がしないという季節になってきたので
悲しいかな、調理実習まがいなお昼の楽しみはしばらくお預けになるかも。
今回は「サッポロ一番塩らーめん」にキャベツとモヤシを入れて、さらに色どりのため?に
ホテイの焼き鳥缶詰の焼き鳥をトッピングする。
ラーメンといえばラーメン店のストレート麺や味を知らずにインスタントラーメンで育ってきたので、
ふにゃふにゃ縮れ麺こそがラーメンだと思っているゆえに美味しい。元祖な味、サイコー!
最後に残った汁に冷ご飯と溶きたまごを入れて雑炊にしてプハー!ちょっとだけ温もった。
ファームガーデンの前で買った、あのあたたかかった草もちの事が気になったので取り出してみると
固くなりつつあったので、本来なら行動してからお茶にしようと思ったがついでに食べてしまった。
寒い中で食べると、食べ過ぎていることに気づかない事がある。
まさに今回はそれだったかも。
忘れてました、山行きレポートでしたね。
そんなこんなで一時間半も稜線上の寒い所で過ごしてしまい、我に返って日没までの時間を考えるとあわてて撤収。
倶留尊山(くろそやま)に向かって稜線伝いに歩き始める。風が強くて寒くて心が折れる。
この季節、もうそろそろホームグランドの金剛山に復帰しなければ。。
冷たすぎる風には寒すぎてもうムリかも。曽爾高原から見えるいちばん高いピークに登り切ると、そこは倶留尊山ではなくて「二本ボソ山」だった。
けったいな名前であるが展望は抜群で、特に伊勢湾方面の展望がすばらしく良い。
そして倶留尊山はというと、なんと!二本ボソ山からドスーンと落ちて登り返しする隣の別の山である。
一般の人ならそれを悟った瞬間に回れ右して二本ボソ山で引き返すことだろう。
本当は引き返したくなったけど、そこはいちおう山やってるのでがんばって下って登り返す。
カラダがもっと温まってほしいという思いが背中を押してくれてるような感じかな。
曽爾高原のお亀池のある場所の標高は700m。
そして今日の核心部である「倶留尊山(くろそ山)」の標高は1,038mなので、
その高低差はたったの300mほど。二上山以下の登りである。
ちなみに二本ボソ山(996m)からは50m下って100mほど登り返す感じなのでたいしたことはない。
アップダウンの繰り返しはあまり好きではないが、帰りもまた登り返しである。;;
それにしても眺めの良いところであった。
たまにはあくせくしない、こんなゆるゆるの登山も良いなぁと思いながらも寒かった。
駐車場に戻ったところでちょうど日没となった。
帰りにお亀の湯に立ち寄る。
なんど土日祝は料金が引き上げられて700円だった。
平日と休日の大入りの料金が違うのもおかしいが、混雑する休日のほうが高いのはなんだかなぁ。。
洗い場がいっぱいになるほど混んではいたが、お湯はなかなかのものである。
加温も加水もしていない源泉風呂があったので入ってみるとちょっとぬるめであった。
季節によって湯温が変わるのでこれからの寒い季節はさらにぬるくなるかも。
露天風呂は広くてなかなか良かった。
山行きレポートにしては脱線しすぎたが、魅力的な要素が随所にちりばめられた曽爾村は
いつ来ても満足できるところである。
その他の画像は以下より。

亀山峠を越えて、池の平高原、七曲りを登って周回するのも楽しそうなプラン。

近くで実際に見るとものすごい威圧感。

曽爾高原にて

横からみた鎧岳と兜岳。 鎧岳のあの威圧感はどこへ行った?






風がものすごく強い。この時、帽子が飛ばされた!


サッポロ一番塩ラーメンに、キャベツ、もやし、ホテイの焼き鳥(缶詰)をトッピング。
ごまは塩ラーメンに付属していたもの。



大洞山(おおぼらやま)はなかなかの存在感




二本ボソ山より曽爾高原のほうを望む

二本ボソ山




倶留尊山山頂

プラスチックかと思いきや、木の板を掘って彫刻してペイントしてあるかんじ。

倶留尊山山頂にて




利用で1時間半と聞いたら「行かなくてわっ!」って思いました♪
アクセス情報まできっちり教えてくれるキバラーさんブログに感謝!